最近までの長期間男性型脱毛症(AGA)に対する抜け毛予防のお薬として、厚生省から認可を受けて国内販売されていたのはMSD社のプロペシアだけでした。
特許がきれるのを見計らい今年の4月頃にファイザー社からプロペシアのジェネリック品であるフィナステリド錠が発売されたのも記憶に新しい方も多いと思います。
MSD社・ファイザー社ともに有効成分はフィナステリドというもので、これは男性ホルモンであるテストステロンが5α-リダクターゼ2型 という酵素と結合した際にできるDHT(ジヒドロテストステロン)という抜け毛を早める物質が生成される事を防ぐお薬です。
具体的には分解する酵素の働きをブロックし、結果的にDHTという抜け毛成分自体を作らせにくくしよう という治療方法になります。
そして先日ある頭髪用のお薬が認可を受けました。
その名はザガーロ(ZAGALLO)です。
プロペシアとの違いは何なのでしょうか?
目次
プロペシアとザガーロの違い
プロペシアとザガーロ 有効成分の違い
ザガーロはイギリスに本社を置くグラクソスミスクライン社(GSK)が開発し、期待される効果はプロペシアと同じくDHTの生成を阻害するもので、有効成分はフィナステリドではなく「デュタステリド」です。
DHTって何ですか?という方はAGAの基本的な事について解説しておりますこちらの記事をご覧ください。
デュタステリドとはプロペシアが酵素「5α-リダクターゼ2型」を阻害するのに対し、同時に1型も阻害します。
ここで疑問として挙がってくるのが 「1型を阻害する意義とは?」という点だと思います。
1型:全身の毛穴に存在している、AGAの原因ではないと言われている
2型:頭髪の生え際やつむじといったAGAのゾーンに存在し、男性ホルモンのテストステロンが2型酵素と結合しDHTに変わると薄毛が進行する
過去にメルク社が1型のみを阻害する薬を開発していた時期がありましたが、途中の症例をとっている時に一切効果がなかったため開発自体を中止した という話もあります。
この新薬「ザガーロ」は前立腺肥大症の薬としてすでに存在している同じGSK社の「アボルブ」という製品と全く同じであり頭髪用として認可を受けた際に名前を変えて発売される事となりました。
ゆえに副作用といったデータは一般的な新薬と比べ現場に出てからのデータも十分に集まっております。
では実際プロペシアと比べどうなのか? データをご覧ください 。
プロペシアとザガーロ 改善率の違い
改善率としては
ザガーロ0.1mgが現在主流のプロペシア1mgと同程度
ザガーロ0.5mgはプロペシア1mgより1.6倍程効果が高い
というデータになっています。
(※プラセボとは主成分を含まないただの胃薬のようなもので、思い込み効果による改善との違いを見極めるために症例で使われます)
用量が上がれば副作用のリスクも気になるところですが、データ上はプロペシアと同程度で用量依存タイプではないので0.1mgと0.5mgの副作用の率は大差がない との事です。
用量を0.5mgより多くしても劇的な数値の変化が見られないため、主流として扱っていく用量は0.5mgの方になりそうです。
開発中止のメルク社の件から1型のみを阻害しても抜け毛予防効果は見られないのに、1型と2型両方を阻害するデュタステリド自体の実際のスコアは高い という不思議なデータになっております。
この理由自体は明確にはわからないそうです。
ザガーロの方がプロペシアより有効率が高い事に対しての個人的考察
有効成分自体が違うのでフィナステリドでは阻害効果が体に合わず効果が出にくかった人がデュタステリドなら効果を感じる事ができた というケースはあると思います。
またデュタステリドの方がDHTに反応するレセプターの占有率が高いとも言われております。(阻害効果は3倍ともいわれております)
2型を阻害するだけならプロペシアで十分だ と言われる事も多くプロペシアの効きが悪く感じる方は選択の幅が広がった、という捉え方もできますね。
次の可能性としては、プロペシアよりザガーロの方が体から抜けるまでに時間がかかります。
ここが改善率に響いている可能性も高いです。
プロペシアもザガーロも1日1回1錠を「毎日同じぐらいの時間で服用する」ことが推奨されています。
これは血中濃度を安定させる、言いかえれば24時間ムラなく効いている状態を作るためです。
しかしながら厳密には薬というものは飲んで1時間程度で一気に血中濃度が上がり、その後ゆるやかに効果は下がっていきます。
ザガーロは体から抜けにくい=プロペシアに比べ安定して血中濃度が高く、とりこぼしが少ない
この効果の影響が高いのでは?と睨んでおります。
AGAが強く出ている人ほどザガーロの方が効きやすいという話も聞いたことがあります。
そういった方は髪の毛を守る際に高い濃度が必要だから ではないでしょうか?
発売は11月下旬頃には・・という話です。 気になる価格は直前まで公表されないそうなので、毎日飲むお薬なのでプロペシアとどちらにするか費用面でも患者様ごとに選ぶお薬は変わってきそうですね。
※2016年6月より全国的に処方が開始されました。
当院でもザガーロ0.5mgの処方を開始致しました。
アボルブも引き続き処方しておりますのでお選び頂けます。
アボルブに関しましてはこちらの記事をご覧ください。
尚、1箱約1か月分の各費用は
プロペシア 7,000円
フィナステリド 5,000円
アボルブ 7,000円
ザガーロ 8,000円 にて処方しております。
余談ですが、ザガーロの綴りであるZAGALLO とは Z(最後の・究極の) AGA用の薬という意味があるそうです。
実際AGA用の抜け毛予防薬は現在新たに開発されていないそうで、長期の間新薬は出てこないだろう との事です。
プロペシアが効きにくい方の救世主になりえるか 期待しております。
当院は、先行予約となっております。
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